ブルーライトが人体に与える影響と対策

ブルーライトはもはや日常生活に欠かせないスマホやパソコン、照明の殆どに使われている可視光線として最も紫外線に近い光です。ブルーライトが人体に与える影響、その対策に至るまでのブルーライトシンドローム(症候群)を語ります。

減り続ける日本人の睡眠時間へ警告!ブルーライト問題の関係性

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ブルーライト問題は目に与える影響だけでは無く、体内の24時間リズムへも影響を与え、睡眠を脅かす可能性についても考えていかなければなりません。

本来人間の体のとってはとても大事な役目を果たしているブルーライトですが、人間の手によって作られた人工的な「光」によって、人間は自らの健康を犠牲にしているといっても決して言い過ぎではないのです。

 

減り続ける先進諸国の睡眠時間と日本人の睡眠時間推移

 2014年にOECD(経済協力開発機構)が調べた国際調査による記事を、日本睡眠科学研究所さんがホームページで和訳して表にしています。

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引用:現代人の睡眠状況|睡眠科学研究所

 私は正直なところ、これを見たとき「なんだ結構みんな寝てるんじゃん」と思いました。

なぜならば、私自身はもう何年もの間、平均睡眠時間5~6時間程度だからです。

それでも国際社会の中において、日本人の睡眠時間が短いのは数値が示す通りなのでしょうね。

急激なLED照明の普及によって、結果としてブルーライトに触れる量を急増させている現代社会では、既に生活の一部として日常的に体内時計に狂いが生じている事自体を避けることは不可能です。

その為に特別な運動やサプリメントやメガネの対策など、セルフマネジメントが必要になってくるわけですね。

日本人の睡眠時間の推移と私達に必要とされる睡眠時間

日本人の睡眠時間の推移についてもこのようなデータがあります。これはNHKが調査した、あらゆる生活時間の調査ですが、この中に睡眠時間の調査をしています。

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引用:NHK国民生活時間調査

 

日本人の睡眠時間はじわじわと減ってきているのも、こうして推移を見ているとわかります。 

勿論、これら睡眠時間の変化はブルーライトのせいではないし、こじつけるつもりもありませんが、LED照明が普及し液晶が広がってきたのが、11年前ですから、上図の2010年で睡眠時間の落ち幅が大きいのは気になるところではあります。

 

では、実際に私達の必要な睡眠時間とはいったいどのくらいなのでしょうか?

NPO法人「アメリカ睡眠財団」(NSF)というところで分析結果をまとめているものがあります。英文のまま引用します。

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引用:How Much Sleep Do We Really Need? - National Sleep Foundation

この分析結果によると、18歳~64歳までは1日の睡眠時間7~9時間必要という事になっています。

この記事を書きながら、自分が思っていた常識が崩れていくのを感じました(苦笑

実際みなさんはどうですか?7~9時間とか寝ていますか?(苦笑

今後どのように睡眠時間が推移していくか分かりませんが、どちらにしろ睡眠の科学については諸説あり、時間が重要なのか質が重要なのか専門家の見解はそれぞれありますが、どちらにしろ、ブルーライトによる睡眠への影響については、既に疑う余地はなく、見えないところで大きく影響してくる可能性を否定できません。

 

どうしてブルーライトを見ると眠れなくなるの?

ここでもう一度おさらいになりますが、ブルーライトの青い光は、昨今の研究により、人間の覚醒睡眠を判断する体内時計に影響を与えていることがわかりました。

朝目覚めるとブルーライトを浴びることで、体内のメラトニンという睡眠を誘導するホルモンが抑制されて人間の体は覚醒します。辺りが暗くなりブルーライトの量が減ってくると、今度はメラトニンが分泌されて体温を下げ睡眠へ誘導しているのです。

パソコンやスマホから発せられるブルーライトを人間は直視しています。

これが人間の体は昼と判断し、睡眠を誘導するはずのメラトニン分泌を抑えてしまう事で、眠れなく、あるいは浅い睡眠になるという症状を引き起こしてしまうと考えられています。

実際にPCメガネを使い、パソコン画面のブルーライトを撮影してみました。

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パソコン画面の前でブルーライトカットメガネをかざして見ました。

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 これがカットされているブルーライトの光=パソコンから浴びているブルーライトです。

 

 眠れなくなると体にはどんな影響があるの?

ブルーライトは日常生活のあらゆる所から発せられていて、これが人間の体内にあるメラトニンの分泌に影響を与え続ける事で、肥満などの生活習慣病や癌などの発症に影響するとも言われていますから、とても他人事とは言えない状況が、既に私達の環境には出来上がっているのです。

生活習慣病

「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの日頃の生活習慣が、それらの発病や進行に関係している疾患群の事」 

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引用:生活習慣病を知ろう! - スマート・ライフ・プロジェクト

 

もっとも影響を与えると言われているのは、スマホから発せられるブルーライトだと言われていて、それは以下のようなものだそうです。

・見ている時間が1日で最も長い

・小さな画面を集中して直視している

・寝る前のスマホによるブルーライト

 私達が十分な睡眠のためにしなければならないことは、スマホ依存から離れ、スポーツであったり、別の何かに時間を使う事が最も効果的と言えます。

睡眠前のブルーライトについては以下の記事をご覧ください。

mirai-design.hatenablog.com

 

健康づくりのための睡眠指標 睡眠12箇条

厚生労働省では、健康な睡眠のための指標として次のような睡眠に対する指針を出しています。

睡眠12箇条

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

引用:睡眠対策 |厚生労働省

睡眠は心身の疲労を回復する働きがあるので、睡眠が不足したり質が悪化すると健康上の問題や生活への支障が出て、生活習慣病のリスクにつながります。

不眠がうつ病やこころの病に繋がったりヒューマンエラーに基づく事故につながることも明らかになっていると明記されていて、だからこの12箇条の指標を出したのだそうです。

詳しくご覧になりたい方はこちら

mirai-design.hatenablog.com

一言に要約できる内容では無いので、説明は別に機会に譲りますが、規則正しい生活のリズムを作る事や、適度な運動によって入浴を促進することで中途覚醒を抑えるなど、

快眠のための習慣を身につける事を書いています。

これはブルーライトに限った事だけではありませんが、ブルーライト問題の出現により、今まで以上に健康に気を使い、睡眠についても快眠できる環境作りを心掛けていかなければならない時代になってきたという事と、私は解釈しています。

 

このような日々の生活において気を付ける事、そして物理的に対策が必要な事、そういう努力がブルーライトシンドロームにおいては必要なのだと強く感じています。

mirai-design.hatenablog.com

mirai-design.hatenablog.com

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まとめ

「ブルーライト」というたった1つのキーワードですが、私達の生活にとても密着していて且つ重要な関連性があるという事を、私たちは知らなければなりません。

ブルーライトと睡眠への影響については、以前の記事にも書きましたが、体のメカニズムにブルーライトが組み込まれている以上は、1つの歯車が狂いだすと、やがてそれは全体に広がっていきます。

段ボール箱いっぱいの良質なりんごの中に、たった1つの腐ったリンゴが存在していれば、それはやがて箱全体のリンゴが腐ってしまいます。

ブルーライトは今の人間社会においては、そのような存在なのだとどうか認識してほしいと願っています。

但し、もう何度も言っていますが、私が警告しているのは、人間が文明の力により生み出したブルーライトに対してです。

人間は自身により、このブルーライト問題を生み出したという事を忘れてはいけません。

 

余談ですが、なぜブルーライトってわざわざ横文字にしたのでしょうね。だって「青色」の事じゃないですか。