ブルーライトは睡眠への良い影響があるというのは本当?
-目次-
- ブルーライトは睡眠への良い影響があるというのは本当?
- ブルーライトが睡眠に与える体内時計への影響
- 睡眠前にスマホを見続けることで目に与える網膜細胞への影響
- 現代社会において睡眠前にどのような事に気を付けなければならないか
- まとめ
ブルーライトが人体に与える影響については、良し悪しを問わず様々な情報が氾濫していますね。
情報の中には、時間の経過とともに新しい情報へ塗り替えられていくものが多く存在します。
それは新しい発見、新しい開発、新しい使用への変更など、理由は様々ですが、ブルーライトについても同じです。
今回の記事では、人間が生きている1/3の時間を費やす「睡眠」について、ブルーライトが与える影響を、2018年の最も新しい情報で考えてみましょう。
可視光線の中で最も紫外線に近く、短波長でパワーのある光。
日常の中では、スマホやパソコンのモニター画面、テレビ、そして照明に至るまで、ブルーライトは私たちにとって益々身近な光になってきました。
このブルーライトを見続ける事で私達の睡眠に与える影響はこの2つに集約されます。
・人間の体内時計への影響
・目の網膜細胞への影響
残念ながら、どちらも良い影響ではありません。
但し、これは現代社会におけるブルーライトと人間の体という視点で考えたときの影響という意味になります。
人間の体は様々な光に反応する機能があり、ブルーライトと呼ばれる380nm~500nm帯の光にしても同様で、実は人間の体の中のある大事な機能を果たす光ではあるのです。
これについては別の記事でまとめたいと思います。
ブルーライトが睡眠に与える体内時計への影響
昼間はパソコンの液晶画面を見て仕事をし、その合間や通勤でスマホを使い、家に帰ると液晶テレビを見るという生活をしている方はおられますか?
そして職場でも、家でも照明は白色LEDで、その光に照らし続けられている、という方はおられますか?
更に、寝る前にはスマホでSNSをチェックしたり投稿したり、という生活をしている方はおられますか?
今、多くの日本人はそのような生活スタイルに変わりつつあります。
1日中ブルーライトを見続けて生活していると言っても過言ではありません。
太陽から浴びている光にも当然この青い光は含まれていて、本来であれば人間の体にとって必要な光ではあるのですが、このような生活スタイルの変化と共に、人間の体に吸収されるブルーライトは増え過ぎました。
実は、簡単にまとめると体内時計の役割を果たしているのが、この400nm~500nm帯の光になります。
視細胞はちょうど460nm付近の光で最大の反応を示して、体内でメラトニンを分泌する松果体へ指令を伝達し体は覚醒しますし、この光が減少する事でメラトニンというホルモンが分泌されることで、人間は眠くなります。
つまり、朝、太陽の光を浴びると体が覚醒するのも、太陽の光に含まれるブルーライトのお陰なのです。
このメラトニンと睡眠の関係については、武田製薬さんの記事が分かり易いですよ。
ところが現代社会では、1日中ブルーライトの強い光を「見続けている」状態が多すぎて、これが体内時計に作用し、メラトニンの分泌を抑えてしまい、「眠れない」状態を作り出してしまうと言われています。
つまり本来であれば、人間の体内時計である覚醒と睡眠を管理しているはずのブルーライトが、現代社会においては昼夜問わず刺激を与えられ続けている事で、体内時計を狂わしてしまう最大の要因になってしまっていると言えるわけですね。
睡眠前にスマホを見続けることで目に与える網膜細胞への影響
寝る前は、殆どの方が照明を消しますよね?
そして布団に入り、さて・・・スマホを見る方!
スマホの画面から発する光には当然のことながらブルーライトが含まれています。
周辺が暗い状況下で且つ近距離でブルーライトを直視した状態と言うのが、就寝前にスマホを見る状態です。
1日の中では最も目の奥の網膜細胞へ強い光が届くシーンと言っても過言ではありません。
目の網膜細胞への影響についてはこちらの記事をご覧ください。
今わかっている事実だけでも、このような状態が続けば、目の網膜細胞をじわじわと破壊し続けていく事は想像できますよね。
そして、この網膜細胞を守ってくれているのが「ルテイン」という色素ですが、この刺激により更に加速的に減少していくのです。
減ってしまった「ルテイン」は体内で生合成する事が人間にはできません。
「ルテイン」に関する記事は以下をお読みください。
現代社会において睡眠前にどのような事に気を付けなければならないか
現代社会の生活スタイルにおいては、少なくとも就寝の2~3時間前にはスマホの使用をやめ、ストレッチやヨガと言った、体全体をリラックスさせる時間を作ってみるのはいかがでしょうか?
特に就寝前に入浴される方ならば、そのままベッドに入り寝るまで、もうスマホを見ないようにする等、出来るだけブルーライトから離れる時間を作ることが、実は最も簡単で効果の高い対策と言えます。
それでも習慣化された就寝前のスマホチェックという事であれば、ブルーライトカット機能を有効にしてスマホを見ることです。
スマホは周辺の明るさを検知して、ディスプレイの明るさを自動で調整します。
iPhoneであれば「NightShift」モードという機能がありますので、これにより強制的にブルーライトをカットして使うことができます。
それともう1つ、就寝前の対策ではありませんが、昼間には充分な太陽の光を浴びておくことも、体内時計を維持する上ではとても大事な対策と言えますね。
まとめ
人間は、人生の3分の1というとてつもなく長い時間を睡眠に使う生き物です。
近年その便利さから急激に普及してきたブルーライトを使った商品の数々。
これらは便利さと引き換えに、人間の体内時計を狂わし目の健康を奪うという「ブルーライト問題」を引き起こしています。
本来は自然界に存在し、人間の体内時計を司る光であった「ブルーライト」ですが、人間社会における技術の進化に伴う便利さにより、人間にとっては悪影響を及ぼす存在になってしまいました。
かと言って、ブルーライトと関わらない生活を現代社会の中で過ごすことは不可能ですので、人間にとってとても大事な「睡眠」を、少しでも良いものにするためには、やはりブルーライトを見続ける時間を減らすこと、そして不足したルテインを補給して目の網膜細胞を守ること、この2つの対策を心掛けていきましょう。