いまとなっては家庭やオフィスの天井に煌々と輝いているLED照明。
家電量販店に行っても、ホームセンターへ行っても、ドンキへ行ってもニトリへ行っても(笑)照明はLEDばかり。
そんなLED照明と青色LEDと呼ばれる世紀の発明との関係について書きたいと思います。
青色LEDの話の前に「平成30年7月豪雨」について書きます
まず、すみません、横道逸れますが、「平成30年7月豪雨」について言わせてください。
被災地におられる方々へ、どうか頑張ってほしいという願いと、私に出来る精一杯の支援をしていきます。
ウェザーニュースが昨日公表した複数のビッグデータから分析した、浸水状況についての現時点での分布を見て、私は愕然としました。
この図で、紫の点は「腰以上の浸水状況」、赤の点は「膝以上の浸水状況」になった地域を示しています。
私は福岡、広島、岡山、愛媛、それぞれお世話になった方々が住んでます。
幸いにして私が連絡した先の方々は皆無事でしたが、これを見て本当に驚きました。
少なくとも私がこの世に生を受けてから、これほど広範囲での水害は初めてではないでしょうか?
時間の経過と共に明らかになってくる被害の実態に心が痛みます。
広島の取引先様との電話
広島の取引先様では、床上浸水の状況となって、命は助かったものの、一時期は本当に死ぬかと思ったと言っておられました。
下水も入り混じった雨水が去った後は、とても今まで通りに使えるようになるまでには時間もお金も掛かりそうだとも言っておられました。
「こんなに水はあるんやけど、ライフラインがやられたから飲料水がないけぇのー」
そんな生々しい話を電話で聞き、私が東京にいてできる事は何だろうと思い、日本赤十字やyahoo、楽天などで早速支援金集めをしていますので、早々にいくつか支援しました。
T-POINTで支援が出来る!
例えばyahooとかはT-Pointで支援できるんですよ。
皆さんTカードくらい持ってますよね?
100pから簡単に支援できるんです。
現地での人的な絶対数不足の問題もありますが、今の時点でまだ避難されておられる方は沢山いますから、支援はありすぎて困ることはないはずです。
ちゃんと有効活用してくれればとか、そんな事考えて渋っている前に、まず1人1人できる事から始めませんか?
私の友人、知人から飛び込んでくる言葉は想像以上に大きな被害状況が殆どです。
LED照明と無電極照明という歴史の古い"明かり"
長々と個人的なことを書いてしまい失礼しました。
しかし私のブログを見てくれる方もおられでしょうから、少しでも広く知っていただきたかったのです。
さて、やっと本題に入ります(苦笑)
「無電極照明」「無電極ランプ」という照明について聞いたことはありますか?
照明、つまり"明かり"には沢山の種類がありますよね?
火も一種の"明かり"と言えますが、文明が進化すると共に、様々な"明かり"が発明されてきました。
白熱灯、水銀灯、蛍光灯、そしてLED照明、ネオン管なんかも"明かり"ですよね。
実はLEDが発明された1900年代初頭、ちょうど同じ頃にもう1つ"明かり"が発明されていたのですが、それが無電極ランプと呼ばれる"明かり"です。
イメージとしては電極のない蛍光灯と思っていただければ良いでしょう。
※株式会社プラスアルファー提供
こんな感じの不恰好な照明です。
ランプの部分を良く見てください。
見慣れた円状の蛍光灯のようなランプがついていますよね?
これが無電極ランプです。
無電極ランプの特徴はかなり良いのに普及しなかった理由
技術的には勿論深いのですが、ここでは超簡単に説明しますと、以下の様な照明です。
- 電極が無いのでランプが切れない=超長寿命
- ランプの劣化が殆ど無いのでいつまでも明るい
- 光の質がほぼ蛍光灯と同じ=ブルーライトが少ない(三波長)
- 蛍光灯に比べて50%以上の省エネ、水銀灯に対して70%程度の省エネ
「へ??」
と思いませんでしたか?
なぜそんなに良い"明かり"なのに世に出ないのか?と。
蛍光ランプが2万時間といわれる中、無電極ランプは余裕で10万時間が耐用年数になります。
だったらもっと売れても良いはずだ、と思いませんか?
LEDは発光ダイオードと言って、電気の基板の上にある電子部品が光を出すことをイメージしてください。
つまり1つの光は小さくて弱かったのです。
そして無電極ランプは、上の写真を見てください。
無電極であるがゆえに、ランプ自体の構造上小さく出来なくて、更に点灯させる為の安定器部分が大きくなってしまい、更に重くなってしまう。
つまり、特定の場所には設置できても、一般家庭へ普及するようなランプでは無かったんですね。
第3世代と呼ばれる蛍光灯と近代への進化
そうこうしているうちに、LED、無電極が開発されてから約30年後に、誰もが知っている"明かり"「蛍光灯」がアメリカのゼネラル・エレクトリック社より市場投入されます。
日本では更に10年後に東芝が蛍光灯を発売しました。
ちょうど第2次世界大戦のころですね。
蛍光灯は瞬く間に世界中の"明かり"を変えていきました。
第3世代の明かりと言われてきた"蛍光灯"
蛍光灯が一般家庭の天井を照らし出して約70年、この僅かな間に特に日本は目覚しい産業の発展を遂げていきます。
僅か50年の間に変わったものは?
ふと我に帰って考えてみてください。
今50代以上の方ならば、白黒テレビがカラーテレビに変わったところを目の当たりにしてきましたよね?
そしてプラズマテレビ、液晶テレビへ進化していく過程を見てきたはずです。
黒電話がスマホへ進化していく過程を知っていますよね?
家の前の道がまだ砂利道だったのが、いつの間にか殆どの道路がアスファルトに変わっていくところを見ていますよね?
高層マンションがガンガンと立ち並んでいく過程を見てきましたよね?
G2なんてFAXがあったのも覚えていますよね?
4800bps(ヨンパチ)という通信速度でした。
それがG3になり9600bps(クンロク)という速度になって、G4機が誕生して、ISDNが普及してデジタル通信の時代になり、FAXとコピー機が一緒になった「複合機」が生まれたのを見てきたでしょう。
そしてインターネット技術という軍事技術の一般開放を目の当たりにしました。
世の中の情報が一気に開放された瞬間です。
それは瞬く間に世界を近くして、先進国、途上国における情報格差の壁を見事に壊しました。
扇風機がエアコンに変わりましたよね?
私が最初に手にしたマイカーはエアコンがありませんでした(笑)
これら全てが、僅かこの50年程度の間の起こった出来事なのです。
進化の代償はあまりにも大きかった
こうして今度はオゾン層破壊による紫外線の地表直撃という人類の進化が生み出した、決してオーバーな表現ではなく、人類滅亡の危機に見舞われる事になったわけですね。
これは脅しでもなければ、ウソでもありません。
私が約30年間携わってきた「省エネ」という仕事をしていると、自然と調べ、耳にしてきた「環境保全」という言葉。
若かったときは、それらは「営業トーク」の1つとして使っていた言葉でしたが、自分が勉強をし経験を積んで、知れば知るほど事態の深刻さを知りました。
そして京都議定書に端を発し、世界中が事の重大さに気がついていきます。
かつてはアメリカが、ヨーロッパの国々が、そして日本が、やがて中国が、環境を汚しまくってきたツケは、人類を守り続けてきた地球のオゾン層をどんどん破壊していたのです。
「平成30年7月暴雨」は地球温暖化と関係ある?
それが地球温暖化を生み出し、海面上昇を誘発し、現時点で関連性については何とも言えませんが、世界各地の異常気象を生み出してきたとも言えます。
今回の「平成30年7月暴雨」も地球温暖化に関係する可能性も0ではありませんよ。
現時点で関連性を証明するものは無いそうですが、少なくもと私が生まれてから今日までは無かった規模の災害ですよね?
どんなに技術が進化しても、自然の驚異の前に私達はなす術がありません。
そして自然の驚異は常に新しい技術を生み出していく為の原動力になってきました。
エアコンと照明の進化
「環境」という視点に着目したときに、世界規模での環境保全そして省エネルギー問題は、もはや必須事項となりました。
オゾン層を破壊してしまうフロンガスを使ったエアコンは、急ピッチで省エネタイプが投入されました。
いきなり消費電力60%カットと言ったとんでもない技術を生み出したのは、PAMエアコンと言い、日立が開発しました。
このPAMエアコンの技術はダイキンなどの空調メーカーが採用し、更にエアコンは進化して今日の超省エネタイプのエアコンに生まれ変わっていきました。
そして照明は、日本人の手により1989年に「青色LED」が開発され、その量産技術も日本人の手により1993年に生み出された事で、環境保全をバックボーンとして一気に普及の道を辿るのです。
青色LEDの発明とその進化がブルーライト問題を生み出した
ではなぜ「青色LED」の開発がそこまでLEDの普及に繋がってしまったのか?
それは、LEDにはそれまで光の三原色RGBのうち、B(ブルー)が無かったからです。
つまり、LEDの青が作れるという事は、「白」が作れるようになったという事です。
これによりLEDが電子素子の明かりとしてではなく、一般照明の明かりとしても商品化されることになりました。
そして、この青色LEDの開発に連動して普及していくのが、「液晶」と呼ばれるモニター画面です。
テレビ、スマホ、パソコン、それら全てが「液晶」に変わっていきました。
この辺りから、いよいよ登場してくるのが「ブルーライト問題」です。
まだ十数年内の出来事です。
そして生まれたLED照明普及のための青色LED+黄色蛍光体という技術
青色LEDが発明されたことで、RGBという光の3原色をLEDで作り出すことが出来るようになりました。
しかし、一般照明として普及していくには製造コストがかかりすぎました。
そのため国は国民の血税を助成金と言う方法で投入する事により、「省エネ」を加速させようとしました。
そのような背景がある中で、ついに大きなコストダウンに繋がる技術が世に出てしまいます。
青色LED+黄色蛍光体
この組み合わせで「白」に近い"明かり"を作り出す技術です。
これが決定打となり、LED照明は世界規模で一気に普及する事になりました。
しかしこれは「白」に見えますが、「白」ではありません。
今世に出回っている殆どのLED照明は・・・
青色LED=ブルーライト照明なのです。
まとめ
西日本の広域にわたり被災された方々の早い復興と、亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
そしてブルーライトとその対策や目の疲れに関する情報は、こちらのサイトにまとめていますので、興味のある方はご覧ください。
10年ぶりくらいに会う、かつて共に同じ目的で仕事をした取引先の方と会いました。
無電極照明の紹介をする為の商談をして、そこまでは良かったのですが、彼が返してきた言葉は正直耳を疑いたくなる言葉でした。
「LEDも無電極照明も、今の蛍光灯や水銀灯よりも寿命が長くなるという事は、当社には悪影響でしかない、蛍光灯が切れてくれないとそれだけ我々の売上げが落ちるという事ですから。」
そう言われました。
今まで私達が生きてきた消費社会とはそういうものであり、私が提案した無電極照明ならば、今まで2万時間しかもたなかった蛍光灯が10万時間もってしまいます。
今の50%以下に消費電力が落ちるので省エネになります。
LEDに比べ著しくブルーライトも少ない。
その名の通り電極が無いのですから、ランプがいつまでも明るいまま点灯し続けることができる。
既存のランプを生かしながら省エネ長寿命、しかも人間に悪い影響を与えない、こういう商品は消費社会においては良くないのです、作ってはいけないのです。
それが私達の発展を支えてきた消費社会の実態です。
そして、いまだにそのような感覚の企業人が多くいる、これが現実です。
2012年ブラジルで行われた国連主催の環境会議でのスピーチ、と言って覚えておられる方もいると思いますが、当時ウグルアイの大統領であったホセ・ムヒカ氏の演説を、今日の記事の最後に、どうかご覧ください。
自然は、地球は、常に私達に何かを教えているように思えてなりません。
ホセ・ムヒカ
ホセ・アルベルト・ムヒカ・コルダーノ(西: José Alberto Mujica Cordano, 1935年5月20日 - )は、ウルグアイの政治家。
2009年11月の大統領選挙に当選し、2010年3月1日より2015年2月末までウルグアイの第40代大統領を務めた。バスク系ウルグアイ人。
愛称はエル・ペペ。報酬の大部分を財団に寄付し、月1000ドル強で生活している。その質素な暮らしから「世界で最も貧しい大統領」としても知られている