-目次-
- 水銀の取り扱いを決めた「水銀条約」で水銀灯はその役目を終えました
- 水銀条約は日本が世界へ向けて提案した環境被害を防ぐ国際条約です
- 現在の「LED照明」普及は「ブルーライト照明」の普及と同意語です。
- ブルーライト問題と向き合って良い関係を構築していくという事
- まとめ
水銀の取り扱いを決めた「水銀条約」で水銀灯はその役目を終えました
水俣病から60年以上の歳月が流れ、今もまだ深い傷痕を残している水俣病問題。
その主役となった「水銀」に関する国際条約が2017年8月16日に発行されました。
これは水俣病を経験し多くの被害を出した日本政府が主導で、一定量以上の水銀を扱った製品の取引などの規制する、国際条約です。
でも、製造や輸出入の規制なので、般市民の方は知らない人が多いのではないかと思います。
私がどうしてブルーライトをテーマとしたブログで、水俣病を取り上げたかと言うと、ブルーライト問題の傾向が水俣病問題ととても良く似ているからであり、それをブログを読んでいただいた方々へお伝えしたかったからです。
そしてこの条約により、間もなく姿を消していくことになるものもあります。
誰もが知っているあの照明ですが、何だと思いますか?
それは、学校の体育館の天井で私達を照らしてくれていた、点灯するまでに時間のかかる照明、「水銀灯」です。
水銀灯は、今回の規制により製造そのものが禁止されることになりましたので、その役目を終え、間もなくその歴史から姿を消すことになります。
水銀条約は日本が世界へ向けて提案した環境被害を防ぐ国際条約です
私は自分の商売柄、この条約発効により照明の大きな市場が開けることを知っていましたので、ある意味ビジネスとしても重要な条約でした。
そういうと炎上してしまいますかね(笑
でも、京都議定書といって、日本が主導になって環境に対する国際規制の提案をしても、各国の思惑が入ると、そこからアメリカが離脱してしまったり、中国あたりは規制によって自国の生産性が減るなどの思惑で参加しなかったりして、なかなか日本の提案は通っていかない。
どうして中国の生産性が減るかわかりますか?
だって、この頃の中国は世界で一番公害を撒き散らして、自国の生産品を世界中に売りまくってるわけですから、環境規制なんてされたら大ダメージなんですよ。
アメリカの場合は自国がリーダーシップを取れないことには後ろ向きです(汗
だから昨年の水銀条約発効は、日本が世界に向けて提案した環境改善提案が受け入れられた大きな出来事でした。
勿論アメリカも中国も署名している条約です。
輸出入規制については各国の利害関係が絡みますから、本来であれば難しい問題ではあるのですが、さすがに今回の水銀条約は署名しないと自国へ水銀製造工場が流れ込んでくる可能性もあるのでしぶしぶ、という見方も出来ますね(苦笑
但し、皮肉にもこの条約発効が、水銀製品に代わる照明の普及を急速に、世界的に広めることになりました。
それが「LED照明」です。
現在の「LED照明」普及は「ブルーライト照明」の普及と同意語です。
ようやくこれでブルーライト問題と繋がるのですが(汗
つまり水俣問題に端を発した水銀による環境問題は、世界的な水銀規制へと実を結ぶことになり、それがブルーライト問題という新たな問題を、結果として後押しする事になってしまったのです。
しかもどちらも発端は「日本」だという点も、因縁めいたものを感じずにはいられないですね。
熊本県水俣市で「水俣病」と名づけられた水銀による環境問題と人体への影響により、日本は多くの犠牲者を出してきました。
そして水俣病は産業の発展に伴い、世界規模で発病者を出しました。
世界でも「MINAMATA」の名で通じるこの大きな問題は高度経済成長へ突入した日本が発端で世界に知れ渡ることになりました。
そして今、日本が生み出したノーベル賞受賞技術である「青色発光ダイオード」。
この「青色発光ダイオード」が、テレビ、パソコン、スマホに応用され、より明るく綺麗なディスプレイを生み出しました。
そして、第4世代照明と呼ばれるLED照明の普及へと繋がりました。
今までの照明、蛍光ランプ、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、殺菌灯用ランプ、そして水銀灯は、大小あれど水銀を使います。
ところが、この「青色発光ダイオード」の発明により生まれた「LED照明」は、
「水銀を使わない照明」です。
それがLED照明の普及を一気に加速させ、それと平行して「ブルーライト問題」は、更に多くの人達から注目を浴びるようになっているのです。
ブルーライト問題と向き合って良い関係を構築していくという事
水銀条約については、これに伴って世界的に大きな新マーケットが生まれることを意味していて、つまり水銀を含んだ商品や製造中止を余儀なくされる商品は、それに代わるものが半強制的に売れる仕組みが生まれるわけですね。それも今回の場合は世界規模ですから、その経済効果は計り知れないわけです。
日本でも多くの製造工場が、生産ラインの製造品を変更しました。
大手照明メーカーは、蛍光灯の生産ラインをLED照明の生産ラインへシフトしました。
もはやこの世界的な「明かり」の流れは止めることが出来ません。
それはつまり、
ブルーライト照明の普及は止めることが出来ない、という事です。
だからこのブルーライト問題は、日本だけじゃなくて、人類がこれから先も付き合っていくしか選択肢の無い問題と言えます。
私達は紫外線と上手に付き合う方法を見つけ出しました。
きっとブルーライトとも上手く付き合う方法を見つけ出します。
まとめ
水俣病は今でもまだ続いている大きな問題ですが、これは日本だけじゃなくて世界という規模で1つの歴史的な条約締結へと実を結びました。
でも、結果としてその水銀条約はブルーライト問題を加速させています。
過剰なブルーライトを浴び続けることになった私達は、いつかこの問題も上手に付き合う方法を見出すことが出来るはずですが、その解決までにはこれから先何十年もの時間がかかると思います。
だからこそ、今は私達自身が適切な情報を得て、適切な対策をしていかなくてはならないと、私は考えています。
最後に、不謹慎な発言かもしれませんが、この言葉で締めさせて下さい。
水俣病でお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
ご家族の方々、今なお苦しんでおられる方々・・・。
皆さんのお陰で日本は、世界は、「水銀条約」という大きな本当に大きな約束を締結する事が出来ました。
60年以上の時間がかかりましたが、この条約と各国の規制により、世界の水俣病患者は、特に途上国の水俣病患者は、これから激減することでしょう。