ブルーライトが人体に与える影響と対策

ブルーライトはもはや日常生活に欠かせないスマホやパソコン、照明の殆どに使われている可視光線として最も紫外線に近い光です。ブルーライトが人体に与える影響、その対策に至るまでのブルーライトシンドローム(症候群)を語ります。

【睡眠12箇条】深い眠りを得るための方法を厚生労働省が示している後編

f:id:sherrycat:20180313235805j:plain

眠りを良くする方法にブルーライトは深く関与しています

 人間が生きていくうえで必要な「睡眠」。

ブルーライト問題はこの睡眠へも影響を与えてしまう深い問題を含んでいます。

より快適な眠りを得るための方法として、厚生労働省が「睡眠12箇条」という指標を出していますので、今回ご紹介したいと思います。

とても長い内容なので、今日は先日前編としてまとめた記事の続きになります。

前編をご覧になりたい方はこちらをご覧ください。

mirai-design.hatenablog.com

日本人の睡眠に関する記事はこちらでも紹介しています。

mirai-design.hatenablog.com

 

 

睡眠12箇条

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

引用:睡眠対策 |厚生労働省 

第7条 若年世代は夜更かし避けて、体内リズムを保つ 

第7条のポイント

・若年世代は特に規則正しい生活を心掛ける。

・休日いつまでも寝床にいることをしない。

 寝床にいると夜型化を促進し、体内時計のリズムを乱すことに繋がる

・朝、目が覚めたらカーテンを開けて日光を取り入れる。

・夜更かしは睡眠の質を落としてしまうのでしない。 

第7条の根拠

米国の小児を対象にした縦断研究では、就寝時刻が遅いことと、その後の体重増加が関係することが示されている。

日本人の中学生・高校生を対象にした横断研究では、就寝時刻が遅い者ほど、メンタルヘルスの所見を有する割合が多いことが示されている。

思春期の睡眠に関する研究では、一定しない睡眠-覚醒リズムおよび就寝時刻や起床時刻が遅いことが、学業成績の低さと関係していることが示されている

10 歳代の学生では、平日と比べて休日には起床時刻が2〜3 時間程度遅くなることが各国の観察研究で示されている。

15~17 歳の学生33 名を対象にした介入研究では、土日を模しての2日にわたって就床時刻を1.5 時間遅らせ、起床時刻を3 時間遅らせた生活をすると、体内時計が45 分遅れることが示されている。

高校生60 人を対象にした横断研究では、週末の睡眠スケジュールの遅れは、夏休みなどの長期休暇後に大きくなることが示されている。

健康成人を対象にした観察研究では、起床後、太陽の光を浴び、体内時計のリズムがリセットされてから15〜16 時間後に眠気が出現することが示されている。

光による体内時計のリセットが毎朝起床直後に行われないと、その夜に寝つくことのできる時刻が少しずつ遅れることが示されている。

 

起床後2 時間以上室内にいると体内時計の同調が十分に行われず、就寝時刻が遅れやすいことが指摘されている。

10 歳代の高校生を対象にした横断研究では、起床時刻を3 時間遅らせて2 日間過ごすと、体内時計のリズムが45 分程度遅れることが示されている。

体内時計をリセットするには、起床後なるべく早く太陽の光を浴びることが望ましいことが示されている。

現代日本では、中学生、高校生の間にも携帯電話が広く普及しており、日本の中学生および高校生を対象にした横断研究では、就床後に携帯電話を会話やメールのために使用する頻度が多い者ほど、睡眠の問題を抱えている割合が高いことが示されている。

就寝直前の携帯電話の使用が中学生、高校生の夜更かしを促進し、睡眠に悪い影響を及ぼしている可能性がある。

抜粋引用:睡眠対策 |厚生労働省 

 

第8条 勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。

 第8条のポイント

・自分に必要な睡眠時間の目安は日中の眠気が活動に支障をきたさない程度であれば睡眠時間は足りていると判断できる。
・睡眠不足は結果として作業効率を下げ生産性を下げ、事故やヒューマンエラーの危険性を高める。
・睡眠不足の蓄積は、疲労回復を遅らせてしまう。睡眠は「ためる」事が出来ない。
・睡眠不足があるときには、午後の早めの時間で昼寝が効果的に能率改善。

 第8条の根拠

自分の睡眠時間が足りているか否かを知るための手段としては、日中の眠気の強さを確認する方法がある。

日本人の勤労者を対象とした横断研究では、睡眠時間が6 時間を下回ると日中に過度の眠気を感じる労働者が多くなることが示されている。

日中の活動に支障をきたすほどの眠気がある場合には、睡眠時間を延ばす工夫が必要である。

健康成人を対象にした研究では、人間が十分に覚醒して作業を行うことが可能なのは起床後12~13 時間が限界であり、起床後15 時間以上では酒気帯び運転と同じ程度の作業能率まで低下することが示されている。
健康な成人を対象にした介入研究では、自然に目が覚めるまでの十分な睡眠時間が確保されると、作業能率は安定しているが、その時間よりも睡眠時間が短く制限されると、作業能率は日が経つにつれ低下していくことが示されている。

またこれらの研究では、客観的な検査では作業能率が低下しているにも関わらず、自分ではそれほど強い眠気を感じていない場合が多いことも示されている。
健康成人を対象にした研究では、6~7 日間睡眠不足が続くと、その後3 日間、十分な睡眠時間を確保しても、日中の作業能率は十分に回復しない。

日本では、平日の睡眠不足を補うために、週末に睡眠をまとめてとる「寝だめ」をする人が存在する。

「寝だめ」は作業効率の改善のためには、ある程度有効であることがいくつかの介入研究で示されてはいるが これらの結果は、睡眠不足が続いて蓄積されると、「寝だめ」だけでは睡眠不足に伴う作業能率の回復には不十分であることを示している。

また、週末の過度の寝すぎは、逆に夜間の睡眠を妨げて、月曜日や火曜日の日中の眠気や疲労につながる可能性があることにも注意が必要である。

毎日十分な睡眠をとることが基本ではあるが、仕事や生活上の都合で、夜間に必要な睡眠時間を確保できなかった場合には、昼間の仮眠が、その後の覚醒レベルを上げ作業能率の改善を図ることに役立つ可能性がある。

ただし、必要以上に長く寝すぎると目覚めの悪さ(睡眠慣性)が生じるため、30 分以内の仮眠が望ましい。

夜勤中の短時間の仮眠は、眠気の防止や作業能率の改善に有効である。

ただし、夜間の仮眠直後は強い目覚めの悪さ(睡眠慣性)が生じやすいため、しばらくは作業を開始しないなどの注意が必要である。

抜粋引用:睡眠対策 |厚生労働省 

f:id:sherrycat:20180314001331j:plain

  

第9条 熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。

 

第9条のポイント

・寝床であまり長く過ごすと熟睡感が減ってしまうので注意する。

・自分の年齢に合った睡眠時間を大幅に超えないよう習慣化する。

・定期的に適度な運動をすることで睡眠を促すようにする。


第9条の根拠 

熟年世代(ここでは、比較的高齢の者と定義する)では睡眠と覚醒のメリハリをつけることが重要である。
健康な人の生理的な睡眠時間は一定の範囲内にある。

長時間就床させて生活をさせた介入研究では、逆に寝つくまでの時間が延長し、中途覚醒の時間や回数が増加することが示されている。

日本人成人を対象にした横断研究でも、9 時間以上寝床にいる者では、9 時間未満の者と比べて中途覚醒をおこす割合が高いことが示されている。

脳波を用いて客観的に調べると、夜間に実際に眠ることのできる時間(正味の睡眠時間)は加齢とともに短くなるのに対して、実生活では年齢が高くなるほど寝床に就いている時間は延長している。

寝床に就いている時間は生理的な睡眠時間を大きく超えないことが重要である。正味の睡眠時間は加齢の影響を受け、45 歳では約6.5 時間、65 歳以上になると6 時間程度と短くなる。

日中に過剰な眠気がなければ、その人が必要な睡眠時間は足りていると考えられることから、就床時刻と起床時刻を調節し、上手に睡眠スケジュールを設計することが重要である。

十分に日常生活活動度(ADL)が確保され、また、大きな病気を有していない日本人高齢者を対象にした縦断研究では、週に5 日以上の身体活動が不眠の発生を抑制することが示されている。

つまり、定期的な運動は睡眠に良い影響を及ぼすと考えられる。

ただし、強い運動をすると、かえって、寝つけなくなることも考えられるため、日常生活の中で体を動かすことや、定期的に運動を行うことが重要である。

高齢者の場合には、身体の状態に配慮しながら、運動を取り入れることが大切である。

 抜粋引用:睡眠対策 |厚生労働省 

 

第10 条 眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。

 

第10条のポイント


・眠くなってきたら寝床につくようにして、就床時刻には拘らない。
・無理に眠ろうとすると余計に覚醒して寝付けなくなる。
・眠りが浅くて夜中に目が覚めてしまう人は、積極的に遅寝・早起きを。

第10条の根拠 

眠れない人の多くは、望ましい睡眠時間を確保するために、目覚めなければいけない時刻から逆算して寝床に就く時刻を早めに設定しがちである。通常就寝する2~3 時間前の時間帯は一日の中で最も寝つきにくい時間帯であり、かつ日によって寝つける時刻は、季節や日中の身体活動量などにより変化するため、このような就床時刻の決め方は、寝床の中で眠れない状況につながることになり、そのような状況がつづいた結果、「眠れないのではないか」という不安を助長する危険性がある。

眠るための不適切な努力や眠りに対する不安・恐れは、寝つきを悪化させ、不眠を習慣化させる素地となる。

適切な時刻になり、適切な環境が整っていれば、眠りは自然に訪れる。しかし、眠ろうとする意気込みや、「眠れないのではないか」という不安は、脳の覚醒を促進し、自然な入眠を遠ざけることが、健常人を対象にした介入研究において示唆されている。
眠りが浅く、夜間に何度も目が覚めてしまう場合には、必要な睡眠時間よりも長く寝床で過ごしている可能性がある。

8週間かけて、寝床にいる時間を短くする必要性を学習した不眠症患者では、その後、睡眠の改善(総睡眠時間の増加、入眠潜時の減少、中途覚醒時間の減少、睡眠効率の増加)が認められ、この効果は36 週間持続することが介入研究において示されている。
睡眠ポリグラフ検査を用いた研究でも、寝床で過ごす時間を減らすことは、総睡眠時間の増加、入眠潜時の減少、睡眠効率の増加、中途覚醒の減少をもたらす可能性があることが示唆されている。

 抜粋引用:睡眠対策 |厚生労働省   

 

第11 条 いつもと違う睡眠には、要注意。 

第11条のポイント


・睡眠している最中の激しいいびき、呼吸停止や手足のぴくつき・むずむず感、それに歯ぎしりは注意が必要。

 →病気の可能性を疑う。
・いくら寝ても日中に強い眠気が襲ってきたり、つい居眠りをしてしまう人は、専門家に相談する。

第11条の根拠

いびきの背景には、睡眠時無呼吸症候群など睡眠に関する病気が存在している可能性がある。

睡眠時無呼吸は、様々な生活習慣病の原因になることが示されており、欧米人や日本人を対象にした縦断研究では、睡眠時無呼吸を有している人では高血圧、糖尿病、脳梗塞、循環器疾患 を発症する危険性が高いことが示されている。
また、下肢を動かしたい強い衝動(多くは下肢の異常感覚を伴う)が安静時に増悪し、加齢とともに有病率は高くなることが示されていて、米国人を対象にした縦断研究では、循環器疾患や死亡に至る危険性が高いことが示されている。
欧米や日本における横断研究では、睡眠中の歯ぎしり音を主徴とする睡眠時ブラキシズムの有病率は、成人で約5~10%であることが示されてい。

うつ病では、早朝に目が覚めたり、熟睡感がないなどの特徴的な不眠を示すことが指摘されている。こうした特徴的な睡眠障害を初期のうちに発見し適切に治療することは、うつ病の悪化を予防することにつながる。夜間に十分に睡眠時間が確保されていても日中の眠気や居眠りで困っている場合には、ナルコレプシーなどの過眠症を有する可能性もあるため、医師を受診し適切な検査を受け、対策をたてることが大切である。
夜間に十分な時間眠っているにもかかわらず、日中の眠気が強い場合には過眠症が疑われる。

日中の過度の眠気は、直接的かつ短期的に健康を害する場合は少ないものの、長期的には仕事や学業に支障を生じ、重大な労働災害や交通事故の危険因子にもなるため、早期に専門家に相談する必要がある。

 抜粋引用:睡眠対策 |厚生労働省  

f:id:sherrycat:20180314001523j:plain

  

第12 条 眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。

第12条のポイント

・寝付けない、熟睡できないなど、睡眠に問題が生じ日常生活に支障が出た場合は、専門家に相談しよう。
・薬剤は専門家(医師、保健師、看護師、助産師、薬剤師、歯科、医師、管理栄養士、栄養士など)の指示で使用する。

第12条の根拠 

適切な知識に基づいた睡眠習慣についての助言を実際に受けることできれば睡眠障害やそれに伴う精神的な苦痛の改善が期待できる。

よく眠れない、あるいは日中眠たくて仕方ないなどの自覚症状は、「からだやこころの病」のサインである場合があることが示されている。

まずは、寝つけない、熟睡感がない、充分眠っても日中の眠気が強いことが続くなど、睡眠に問題が生じて、日中の生活に好ましくない影響があると感じた時は、できる限り早めに医師、歯科医師、保健師、薬剤師など身近な専門家に相談することが大切である。

薬物治療を受ける場合には、医師に指示された用法や用量を守ることや、薬剤師の服薬指導を受けて使用することが、薬物治療の基本である。指示よりも多い量の薬剤を飲むことがよくないことはもちろん、飲む量を減らす場合や飲むことをやめる場合にも、医師や薬剤師に相談する必要がある。

薬を飲む前でも、すでに飲んでいる最中でも、疑問や不安があれば、率直に医師や薬剤師に相談することが大切である。

睡眠薬を飲み始めてから、気になる症状が出た場合には、副作用も考えられることから、医師や薬剤師に相談することが必要である。
睡眠薬とお酒を同時に飲むと、記憶障害を起こして、飲んだ後のことを思い出せない、意識がもうろうとして知らないうちに変わった行動をとる、激しい脱力やふらつきが起こる、といった状態が起こる可能性がある。

基本的な考え方として、不眠治療中は、寝酒はやめることが重要である。

抜粋引用:睡眠対策 |厚生労働省   

  

まとめ

2度にわたり、厚生労働省の指標「睡眠12箇条」を出来るだけ分かり易くまとめてみました。

根拠についても、抜粋引用することで必要最小限に絞ってみましたが、それでもこれだけの内容になってしまいました(汗

 

ブルーライトによる日常生活への影響は大きく分けると2つあります。

1つは「目」に対する障害。

もう1つが「体内時計」への影響による睡眠障害です。 

人間が自ら生み出してしまった「人工ブルーライト」によって、今こうしている間にも、多くの人達が必要以上のブルーライトを浴び続けています。

それはもはや日常生活に溶け込んだ多くの問題を抱えたまま、この改善には新しい技術の登場とそれから更に10年以上の歳月がかかるでしょう。

私達はその問題をできる限り正確に把握して、自分達の健康は自分達で守っていくしかありません。

 

このブログで私が声を大にして訴えても、それは蟷螂の斧でしかないのかもしれませんが、でもこの問題の重要性を知ってくれる人が少しでも増えて、それぞれが日常生活に溶け込んだ対策をして欲しいと願っています。

 

私はこうして、自分の知る限りの情報をお伝えしていきながら、電気人生?省エネ人生?を生きてきた全てを注いで、基本照明の白色LED一極化を避けるべく、新型照明の推進を日夜続けています。

 

ブルーライトシンドロームは、個人でできる事、企業ができる事、それぞれがベストを尽くしていかなければならない、とても重要な問題であると、私は思っています。