ブルーライトと紫外線の違いとはなんだろう
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私達が生まれてからずっと当たり前のごとく浴び続けている太陽の光。
朝になると辺りを照らし、夜になると辺りは暗くなります。
ブルーライトと呼ばれている光、そして紫外線と呼ばれている光は、どちらもこの太陽の光に含まれていて、人間の体を支える役目を持った光です。
太陽が放つ光には、人間の目で見る事が出来る光と目に見えない光があります。
目に見える光の事を「可視光線」と言い、
目に見えない光の事を「不可視光線」と言います。
ブルーライトは可視光線であり、人間の目には青~紫色に見える光の事です。
それに対して紫外線は、不可視光線であり、人間の目には見えません。
上図は、光の波長を示していますが、波長が短くなるほど光の力は強くなります。
人間の目に見える最も力が強くて紫外線に近い380nm~500nm(ナノメートル)の光を ブルーライトと言います。
眼科の分野においては、高エネルギー可視光線(high-energy visible light)と言い、「HEV」と表現します。
そして人間の目には見えない380nm以下の力が強い光の事を紫外線と言いますが、紫外線は、UV(ultraviolet)と言う事から、既に多くの人達にも名の知れた光と言えます。
ブルーライトが人間に与える大事な役目とは
ではブルーライトは人間にとってどのような光なのでしょうか?
青色ダイオードの発明以降、テレビ、パソコン、スマホ、そして天井の照明に至るまで、あらゆる所でブルーライトは使われています。同時にそれによる人体への悪い影響が取り沙汰されていますが、本来ブルーライトとは、人間の体の重要な役目を担っている光です。
私達がいつも見ている空が青いのはブルーライトによるものです。
ブルーライトはエネルギーの強い光なので、大気圏で粒子がぶつかり合って光が拡散して、空は青くなるのです。
人間の体にとって大事な役目
・人間の概日リズム(がいじつリズム)をコントロールしている
サーカディアンリズム(circadian rhythm)とも言いますが、24時間の周期で覚醒や睡眠を誘導する、いわば体内時計の事で、24時間周期にあわせて人間の血圧、体温、体内ホルモンの分泌などの調整しています。このサーカディアンリズムは、ブルーライトの460nm付近の光により反応しています。
朝起きてブルーライトを浴びると体は覚醒します。そして夜になるとブルーライトが少なくなり、メラトニンというホルモンが分泌されて、血圧、体温を低下させ、睡眠の体制に入ってゆくのです。
睡眠に対するブルーライトの影響については以下の記事をお読みください。
ブルーライトと紫外線はどのような影響の違いがあるのだろうか
紫外線は目に見えませんが、とてもエネルギーのある光です。
ブルーライトが空を青くするのに対して、紫外線は空にオゾン層を作ります。
オゾン層があるために、地球は一定の温度を保てていたし、人間にとって有害な光の多くが地表に届かないようにオゾン層で吸収していたのです。
紫外線の影響については、国立環境研究所のこちらに「絵とデータで読む太陽紫外線」というPDFの冊子に詳しく書かれていますので、興味がある方はご覧になってみてはいかがでしょうか?
[CGER-M018-2006] 絵とデータで読む太陽紫外線—太陽と賢く仲良くつきあう法—
紫外線は体内にビタミンDの生成したりという有益な面もありますし、殺菌能力の高い光としての有益性もあります。
でも、紫外線はエネルギーが強すぎるがゆえに、人間に皮膚に対しては害を及ぼす影響がとても大きいのです。
特に昨今のオゾン層破壊によって、温暖化のみならず、地表へ届く紫外線は種類も量も増えていますので、学校によっては「紫外線センサー」などを採用し、生徒が校庭で遊べる時間帯に制限をしています。
紫外線のそのような実情を考えますと、人間の体内時計をコントロールし体調を管理するブルーライトは、実はとても良い光なのではないかと思えてきますね。
まとめ
本来であれば人間の日常生活において必要なブルーライトですが、この有益な光を悪者にしてしまっている根本的な原因がどこにあるのか、この記事をお読み頂いている方であれば、既にお気づきかと思います。
そうです、我々人類が作り出したブルーライトが人間に悪い影響を与えているのです。
青色発光ダイオードの発明は、世の中に大きな進化を遂げさせ、生活をより便利なものへ変化させました。
この人類の進化により、本来あるべき量を超えたブルーライトを強制的に受ける事になってしまったがゆえに、ブルーライト問題は起きています。
ブルーライト問題は、更なる人類の技術進化と同時に、今目の前にある危機に対して、私達1人1人が認識し対処していかなければならない問題です。
このブルーライトシンドロームはいつまで続くのでしょうか・・。