ブルーライトが人体に与える影響と対策

ブルーライトはもはや日常生活に欠かせないスマホやパソコン、照明の殆どに使われている可視光線として最も紫外線に近い光です。ブルーライトが人体に与える影響、その対策に至るまでのブルーライトシンドローム(症候群)を語ります。

ブルーライトとは可視光線の中で最も紫外線に近い光のことです

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ブルーライトとは最も紫外線に近い可視光線のことです 

 

ブルーライトとは、目に見える光(可視光線)の中でも、紫外線に近い、380nm~500nm(ナノメートル)の波長の光の事で、人工的に作り出す光のエネルギーとしては最も強力な光になります。

では紫外線とはどのような光なのでしょうか?

紫外線は、目に見えない光(不可視光線)で、10nm~400nm(ナノメートル)の波長の光です。 

こう言っても判りにくいですよね?

下の図は一般的なLED照明の分光分布図ですが、光を構成している波長には人間の目に感じられるものと感じられないものがあります。赤外線と紫外線は全く正反対の性質の光で、紫外線に近づくほどにエネルギーの力が強い光になるんです。

 

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この図でもわかるように、LED照明の特徴は、青色の光がとても強いんですね。

このぴょこんと飛び出ている光、これがブルーライトです。

 

ここでちょっとしたゲームをしましょう。

紫外線と聞いて、「知ってるよ」と答えられる方は多いと思いますので、

次の質問の中に「YES」がいくつあるか答えてください。

  1. 外が曇っている日は日焼けしにくい
  2. 山や高地での涼しい場所にいれば日焼けしにくい
  3. 家の中で過ごしていれば日焼けしない
  4. プールや海などで水に入っていたほうが日焼けしにくい
  5. 日焼け止めクリームを塗っておけば日焼けは安心

さて、「YES」はいくつあると思われますか?

実は答えは0です。

 

曇っていても紫外線は体に到達します。特に紫外線=UVのα派については晴れていても曇っていても、ほぼ同じだけ体に届きます。

人間が体に暑さを感じるのが赤外線です。紫外線はむしろ高地の方が強くなります

紫外線は窓ガラスを通過します。UVコーティングガラスでない限り、紫外線は家の中でも容赦しないということです。

水は少しだけ紫外線を減らしますが、迂闊に上半身だけは水上にあったりしますと、水面反射によってより多くの紫外線を受ける事になります。

そして、皆さんが一番?となったであろう、日焼け止めクリームですが、残念ながら効果については条件付となってしまいます。

それは人間は常に活動し、汗をかきます。

気づかないうちにクリームは取れていってしまいます。

だから、基本的には数時間毎に塗布する必要があります。

これらの事からも紫外線がいかに強力かはわかるのではないでしょうか?

この強力な光に可視光線として最も近く強い光がブルーライトです。

 

ブルーライトが生まれた背景

私は既に30年近くに渡り、企業向けの省エネコンサルティングとして、様々な運用方法や制御システムを開発、実践してきました。

当然照明についても、省エネ対策の1つとして、とても重要なポジションを占めていました。

なぜかと言うと、家庭であれば外が暗くなってきてから寝るまでの間、という使われ方が普通ですが、企業や店舗などにおいては、営業時間+α=点灯時間と考えられますので、省エネタイプへの切替をすることで、毎月定量的に電気代を下げることが出来るからです。

 

明かり(照明)の変化については、

第1世代と呼ばれるのが、ろうそくの光。

第2世代と呼ばれるのが、白熱電球。

第3世代と呼ばれるのが、蛍光灯。

一般的なグロー方式、ラピッド方式という点灯方式から電子安定器(インバーター安定器)へ進化を遂げました。

インバーターって言葉は、もう誰もが知っている言葉になりましたが、少なくとも20数年前は殆どの人は知りませんでした。

そして、

第4世代と呼ばれるのが、LED照明になります。

でも、LED自体の発明は1900年代初期ですから、100年以上も前にあった光なんですね。

 

LED照明は、光源にダイオードという素子を使い、これを光らせることで照明として明るく照らします。

1つの素子はとても小さく、そのためいくつものダイオードをまとめて1つの光源として照明器具を構成します。

それでもダイオードの光には限界がありました。

1989年に、赤碕勇氏とその助手の天野浩氏が青色LEDの開発に成功し、1993年には、中村修二氏が高輝度青色LEDの開発に成功します。

これが今の明るい光を放つLED照明の根幹技術になります。

 

今まさに世界の市場へものすごい勢いで広がっているLED照明の高輝度技術は、日本人が開発したものなのです。

つまり「ブルーライト」の生成技術です。

この青色ダイオードの発明により、LED照明は飛躍的な進化を遂げていくことになります。

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ブルーライトの大きな問題点とは

まさしく革命とも言える照明の光源シフトが進む中で、開発者の1人である中村修二氏は、これを自らの名声をよそに警告します。 

青色LEDはピークが非常に強く健康被害の恐れがあるので使ってほしくない」 

これをある講義で警告しました。

ブルーライトは紫外線と非常に近い光です。

そのため、これを見つめていると、目の網膜組織が破壊され、長く見続けていることで失明します。

LED照明が明るいのは、青色ダイオードがあるからです。青色ダイオードを除くと、基本照明として使うことが出来ないくらい照度は落ちてしまいます。

しかしながら、市場の普及スピードは留まることを知りませんでした。

照明工業会では、2015年に比べ60%ものLED導入コストが下がったと発表していますが、これは構造的なところで、とんでもない仕様変更を各社がおこなったからです。

 

問題を抱えたまま、今もなお売れ続けているLED照明。

このブルーライトシンドロームはいつまで続くのでしょうか?